映画のポスターデザインを比較してみた

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こんにちは、webデザイナーの中野です。

今回は映画のポスターデザインについてお話ししたいと思います。  

映画好きならご存知の方は多いかもしれませんが、映画のポスターデザインは国によって異なります。
私は映画を見終わった後、よくそれぞれの国のポスターデザインを比較しています。
国によって好まれるデザインが違ったり、映画を見終わった後に改めてポスターを見て、どんな点をアピールしたいのかなどを考えながら、映画関係者になった気持ちでポスターを見てみるといろんな発見があって面白いです。

今回は3つの映画ポスターを紹介しながらデザインの違いについてデザイナー目線で解説していきたいと思います。


  • 1) LA LA LAND

    〈概要〉 2016年アメリカで公開されたロマンティック・ミュージカル映画。
    俳優志望とピアニストの恋愛を描いた映画で、脚本・監督はデミアン・チャゼル、主演はライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが務めた。
    第70回英国アカデミー賞では11部門でノミネートを受け、6部門を受賞した。 参考:wikipedia

    • 日本版

      まずいろんなシーンの画像と説明文が多く、情報量が多いです。

      日本のお菓子などのパッケージデザインもそうですが、商品の特徴を文字と絵で伝わるように、パッケージ内に情報を詰め込むデザインになる傾向があります。

      LA LA LANDのデザインも、「ミュージカルエンターテイメント」「アカデミー賞大本命」という説明文を入れることで、この映画はどんな映画なのか?どれだけ人気があるのか?を分かりやすく伝わるようデザインされています。

      「アカデミー賞大本命」という文字と男女の写真が印象に残ります。
      パッと見ただけで、恋愛系の映画で、人気のある映画だという印象を受けますね。見たくなります。

    • アメリカ版

      一方アメリカ版のポスターは日本版と比較してシンプルなデザインです。

      画像は1枚のみですし、文字情報も映画のタイトルと主演俳優の情報のみとなっています。

      映画を見たことがある方ならご存知だと思いますが、とても有名なダンスのシーンの画像が起用されています。とても印象的なシーンなのでこちらの画像だけでも映画の世界観が伝わるような印象に残るデザインになっていますね。
      しかし、映画を見たことのない人にはシンプルすぎてどんな映画なのか伝わりにくいかもしれません。

      この映画を見たことがなく、映画に詳しくない人には日本版のポスターの方が見たいという気持ちになるかもしれませんね。
      映画を見終わった後、再度このポスターを比較すると個人的にはアメリカ版の方が映画の雰囲気にマッチしていて好きです。

  • 2)アナと雪の女王

    〈概要〉
    2013年に公開されたアメリカ合衆国にてウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作された3Dコンピュータアニメーション・ミュージカル・ファンタジー映画。
    ディズニー史上初のダブルヒロインで構成され、2人の「家族の強さ」が描かれた作品となっている。
    2014年6月2日には日本での興行収入が212億円を突破した。また、累計の観客動員数は1601万人を超え、記録的な大ヒット作となった。
    参考:wikipedia

    • 日本版

      日本版のデザインはメインのキャラクターと雪山の背景が描かれています。映画のタイトルの下に雪の結晶が描かれていて、「雪の女王」の雰囲気がデザインからも伝わってきますね。

    • アメリカ版

      アメリカ版はキャラクターはエルサの後姿だけ描かれています。 雪の女王の力強さと孤独感が伝わってきます。
      また、アメリカでは「FROZEN」とタイトルも異なります。

      子供目線で考えるとキャラクターの顔が映っている日本版の方が好まれそうですね。
      タイトル名も「FROZEN」のみでは日本の子供には伝わらないため、日本では「アナと雪の女王」と映画の内容が伝わるようなタイトルに変更したのかもしれませんね。

  • 3)プラダを着た悪魔

    〈概要〉
    2006年に公開されたアメリカ映画。ジャーナリスト志望の主人公が悪魔のような最悪の上司の下で前向きに頑張る姿を描いた物語。
    2006年6月30日より全米で拡大公開され興行収入は1億2000万ドルを越えたヒット作となっている。 参考:wikipedia

    • 日本版

      日本版のポスターは主演の2人と赤と白のコントラストが印象的なデザインになってます。

      しかし、映画のタイトルと画像で「プラダのブランドの話」を連想してしまい、本編の内容とは想像つかないデザインだなと感じました。

    • アメリカ版

      アメリカ版は日本版と比較するとシンプルなデザインとなっています。画像はハイヒールのみで、ハイヒールの先が悪魔を連想させるようなデザインになってます。映画のタイトルである「DEVIL」のVのデザインがポスターデザインとマッチしています。
      映画のタイトルデザインに合わせてデザインされているように感じます。

      見た目はスタイリッシュですし、ポスターのデザインも印象的ですが、このポスターだけでは日本人には訴求は難しそうですね。

 


 

まとめ

今回は3つの映画に絞って日本版とアメリカ版を比較してご紹介いたしました。
同じ映画でも国によってデザインが全く異なりますね。

このように同じ映画でもデザインに違いが出るのは、海外と日本の「訴求方法や販売戦略」の違いによるものなのではないでしょうか。

デザイン先行で雰囲気だけ感じ取ってもらいたい海外と、多少ダサくなっても見どころ全部載せでアピールして売れたい日本。
1本の映画を見る料金が世界一高いと言われている日本だと、「映画に行く」こと自体がハードルになるため、観る人も比較的「慎重」に映画を選んでいるように感じます。

一方で最新作も1作品1,000円以下で鑑賞できるところもあるアメリカだと、ぱっと見の印象や雰囲気だけで気軽に観に行くことができます。
ここまで掘り下げてみると、単純なポスターのかっこよさだけでなく、戦略に基づいてデザインされているように見えてきます。
現在は海外もじわじわ値上げしているようなので、これから徐々にデザインの方向性が変わってくるかもしれませんね。

皆さんも映画を見終わった後に各国のポスターデザインを見比べてみてください。
同じ作品でも、デザインから受ける印象の違いを感じるのも楽しいですよ。

 


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